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six‐cylinder [touren]

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房総半島には春と夏のイメージしかない

四季の陰影を縁取る秋冬の記憶が、何時しか私の中から抜け落ちている

そんなエリアにboxer engine のエグゾーストはどのように響くのか -------



PORSCHE 981 boxster

ALPINA Roadster

ALPINA B3S

BMW 530i


いずれも6つのシリンダーを内包するengineを積むモデルである

リアセクションにおいて低重心を実現するboxer engine と、唯一フィールを語るに足る完全バランスのストレート・シックス

予想外にタイトなテクニカルセクションの続くワインディングで、房総半島のイメージとはかけ離れた冷気をengineに吸い込ませ、レッドゾーン手前まで引っ張り、パワーバンドに留め置こうとするアクセルワークで抜けて行く

ステアリングとアクセルワークをシンクロさせるようにと意識をフォーカスする過程で、シリンダー内部で繰り広げられるドラマティックな物理現象がイメージとして想起され、重なっていく


フロントグラスの先には綺麗な弧を描くブルーのミッドシップが、バックミラーには精悍なフロントセクションの象徴であるキドニーグリルが朝陽を反射させて輝きながら躍動するサファイヤブルーとメタリックブラックのリムジンが、サイドミラーにはコーナーから素早く抜け出て、早くも次のクリップを捕らえようと疾走するエッジの効いたアルピンホワイトのオープンツーシーターが映っている

ゼブラからレッドゾーンへとアクセラレートしていく数秒が、5機の内燃機関から送り出されたエアーが外気に放たれるときに奏でられるエグゾーストの競演で鮮やかに彩られる

2機のフラット・シックスと3機のストレート・シックスが奏でるそれは、ユニゾンのようでもあり、緊張感のあるインタープレイがもたらす稀有なハーモニクスのようでもある



・・・・・・・とても美しい瞬間だ

いまでも、そのシーンが冷気の感触とともにリアルに思い出される

それはまるで、冬の凪いだ海に反射する光が美しく漂い、揺れ動く光景にも似た、ある種のノスタルジーが喚起されるような優しい肌触りをともなっている -------



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