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more than feeling #1 [impression]

先日、初冬の欧州を駆ける機会に恵まれた

BMW 320d (F31) M/T を駆り、ドイツ、イングランドなどのカントリーロードやアウトバーンを1,200kmほど走らせてみた



・・・そのクルマのことを真に理解するには、相応のスキルや経験に加え、自ら所有して走らせることが不可欠だと、私自身、個人的にはそう考えている できれば、数年に亘って付き合いを共にすることが望ましいと

このため、僅か数日間を共にしたに過ぎない320d (F31) を正しく理解できたとも思わないし、パッケージとしての評価にまで言及するつもりもない

ただ、PHVやEVなどとともにガソリン車に代わるオルタナティブとして、あるいは、PHVやEVよりも欧州では寧ろ普及しているクリーンディーゼルには些か個人的な興味があり、故に、数日間とはいえ、様々なシチュエーションや意識的なアクセルコントロールによって、そのフィーリングにフォーカスして得た印象がある
(正直にいえば、ある2つのファクトリー以外に明確な行き先などなく、クルマによる移動と車窓に流れる景観を楽しむというより、BMWのクリーンディーゼルユニットを欧州で試すことが目的のdriveだった)



そもそも、私がBMWのクリーンディーゼルユニットに関心を抱いたきっかけは、欧州での台頭やSKYACTIV TECHNOLOGYに拠るものではなく、ALPINAがD3,D5というDシリーズをラインナップさせたことにあった

同じE90世代でいえば、ある種、現代の異物とも云えるレーシングライクなGT3を送り出したALPINAが、一方では同時にクリーンディーゼルユニットのシリーズ化に踏み切ったことになる

ALPINAがどのような可能性を見出したというのか?

ここに興味の端緒があった-------



半ば予想されたことではあるが、320d (F31) のステアリングを握り、アクセルコントロールしているとき、私は同時に、BMWベースの別のユニットのことを思い出していた

ALPINA、HARTGE、iDING POWER のストレート・シックス 

それらのフィーリングを重ねていた、といってもいい それだけ、私に、磨き上げられたストレート・シックスのフィーリングが染みついてしまっているのだろう・・・



心ならずも初めから不利な勝負に持ち込まれたかのような320d (F31)のディーゼルエンジンであるが、ストレート・シックスのフィーリングを想起して重ねたとき、その瞬間に、私の中ではポジティブな印象に転化したともいえる

なぜなら、逆説的ではあるが、それらを想起させることさえないユニットもあるのだから・・・

320d (F31)のディーゼルエンジンはトルクフルで静粛性にも優れ、シャシー性能や可変ダンパーの出来も相まって、石畳の道、アウトバーン、緩やかな勾配やRが穏やかに連続するカントリーロードにおいて何らストレスを感じることはなかった 寧ろ、日本よりもノンストップで高速巡航できるドイツのカントリーロードでは理想的なエンジンユニットの1つといっても過言ではないかもしれない

恐らく、1日に400-500kmも距離を重ねるロング・ツーリングには最適な選択となろう 所謂吊るしのディーゼルエンジンでこれだけの好印象を与えるものであるなら、ALPINAのそれは推して知るべし、といったところか



しかし、進化した現代のクリーンディーゼルの技術をもってしても、どうしても拭えない局面がある、ということも今次の欧州driveで経験として知り得た

勾配やRがきつく、アンジュレーションのあるタイトなワインディングにステージを移すと、ディーゼルエンジンの素性/特性が顕在化してくるのだ

レッドゾーンが始まる5,400rpmは疎か、ゼブラゾーンの5,000rpmを超えると、途端にガサついたような感触となり、ゼブラゾーン手前の回転数からゼブラゾーン、レッドゾーンへとaccelarateしていく感覚に乏しい

無論、これはアクセルのことをガスペダルと称してしまうドライヴァーの勝手な期待感とのミスマッチに過ぎず、ECUのセッティング自体、そうしたセッティングにしてある事実を鑑みれば、タイトなワインディングを評価のステージに入れることさえ、誤った行為かもしれない

あるいは、そうしたエンジン特性を反映したパワーバンドやトルクバンドに相応しい、7AT/8ATがベストな選択なのかもしれない 相応の速度域で巡航可能な連続性のある局面が相応しいステージなのだろう

そして、タイトなワインディングに執心しているドライヴァーには、そのクリーンな洗練が未だ似合わないだけなのだろう



ALPINA、HARTGE、iDING POWER

これらのストレート・シックスは現代のクリーンテクノロジーからすれば、emotionalであるものの、確かにオールドファッションかもしれない・・・

だが、ドイツのカントリーロードを疾走しながら、私はそのフィールを確かに求めていた 正直に告白すれば、アクセルワークに何かが欠けていたような喪失感を抱えながらの疾走だった、ともいえる
 
ドイツの深い森に心地よく響くのは、そして、私のアクセルワークや心象風景にシンクロして美しくハーモナイズするのは、やはり珠玉のストレート・シックスなのだと

on base BMW の ALPINA、HARTGE、iDING POWER で、いつの日か、完全バランスのハーモニクスを響かせながらSchwarzwald を駆け抜けてみたい

その想いを新たにする、朝靄に包まれるドイツのカントリーロードだった


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